当院では、2008年4月から狭帯域光観察(narrow band imaging;NBI)を搭載したオリンパス社製、EVIS LUCERA PECTRUMを導入しました。
NBIとは、粘膜組織や血中のヘモグロビンの光学特性に最適化したスペクトル幅の狭い光(狭帯域光)を使うことにより、粘膜浅層での血管や粘膜表面の微細構造(腺口構造)を強調し、早期癌の存在診断や深達度(癌が粘膜からどれだけ深く浸潤しているか)などの診断をするものです。
具体的には、専用の光学フィルタにより、光の波長を415nmと540nmに狭帯域化します。これらの波長の光は、赤血球のヘモグロビンに強く吸収されます。このため、粘膜表層の血管の走行状態を強調させることができます。
415nmと540nmの光では、粘膜組織への伝播深度が互いに異なります。このことが粘膜の血管描写能力をより高めます。415nmの狭帯域光では、粘膜表層の血管像を茶系の色調で、540nmの狭帯域光では、粘膜表層下の血管像をシアン系の色調で描写します。この色の違いにより、血管の走行状態を鮮明に描写可能となります。
このNBI画像と約80倍まで拡大観察可能なスコープを併用することで、早期食道癌、早期咽頭癌の存在診断、深達度診断、早期胃癌の範囲診断、早期大腸癌の深達度診断などの精度が向上します。
これらの中で最も有用なのは、食道癌、咽頭癌で、通常の内視鏡観察では発見するのが困難な3o以下の癌も発見できるようになります。
特に食道癌では、NBI観察と拡大観察を併用することで早期食道癌の存在診断だけでなく、深達度診断も可能です。
今後当院では、NBI、拡大観察を用いて、より早期の癌の発見と、より正確な術前診断(範囲診断、深達度診断)を行いたいと思います。食道癌や咽頭癌は、お酒をよく飲んだり、タバコをよく吸う人に発生しやすいと言われています。お酒をよく飲んだり、タバコをよく吸う人は、癌の早期発見のため、是非NBIによる内視鏡検査をお受け下さい。 |