当院概要

当院について

救急研修プログラム

はじめに

潤和会記念病院は1次救急指定病院ですが、独立した部門としての救急部はありません。

しかし、救急外来を訪れる患者は多く、救急車は年間1,700台前後を受け入れてきています。疾患の程度は様々ですが、脳血管障害や外傷、骨折、急性腹症のような手術適応となる患者や、消化管出血、急性呼吸不全や急性腎不全、出血や敗血症によるショックなど高度な処置を必要とする患者も少なくありません。

特に神経系の救急疾患については、様々な原因による意識障害にはじまり脳血管障害、痙攣重積発作、変性疾患の急性増悪など、多くの患者が集まってきています。研修中に指定されている内容は下に示す通りですが、産婦人科領域、精神科領域を除く領域で、患者受け入れから診断、治療、必要ならば集中治療、外科手術まで自己完結型の研修ができます。

急性冠症候群については、当院では、診断から、一時的ペーシング程度のごく初期の治療までは経験できますが、高度な治療等は専門の病院へ転送することになります。また集中治療室と連携した研修が可能です。

付録


    • 指定されている研修内容
    • 緊急を要する疾患・病態(必修11 項目)、以下の病態を経験(初期診療に参加)
    • 心肺停止ショック意識障害,脳血管障害,急性呼吸不全,急性心不全,急性冠症候群,急性腹症,急性消化管出血,急性腎不全,流・早産及び満期産,急性感染症,外傷,急性中毒,誤飲、誤嚥,熱傷,精神科領域の救急

当院における緊急患者(潤和会記念病院資料より)

1.平成23年度救急部年報

救急車受け入れ台数(時間外)は平成21年度:753台(535台),平成22年度:1,399台(892台),平成23年度:1,777台(1,009台)であった。また、ICU以外に救急で入院した患者を述べ2,588人を担当した。

2.平成23年度集中治療室入室の状況

ICU では術後患者と院内外の緊急患者を受け入れている。

入室総数:755 人 (内訳:脳神経外科395人、外科270人、その他90人)

救急研修について


<目的>

医師の義務と責任を明確に感じ、救急診療行うための必要な思考過程を確立する。

<概要>
  1. 当院で救急医療の研修を行う研修医は、集中治療部(ICU)に所属する。
  2. 脳神経外科、外科、整形外科、内科、神経内科それぞれの救急担当医と診療に当たる。
  3. 各科に1名の担当医をおく。
  4. 夜間の当直業務を担当医とともに行う。
  5. 救急、重症患者のカンファレンスに参加する。

外科

外科領域の救急について当院で経験できる範囲を示しています。処置については指導医とともに行います。

単に処置をやった、やらない、できた、できないに一喜一憂するのではなく、診察、診断から検査、処置までの考え方を十分に理解して下さい。

【急性腹症】

定義:急激な腹痛を主訴とし、原因が腹部臓器に由来すると推測される疾患で、急性な経過をとるため緊急処置、手術が必要な疾患群の総称処置、手術の内容:緊急or 待機開腹手術、鏡視下手術、IVR、エコーガイド下穿刺 等緊急処置、手術が必要な具体的疾患

腹膜炎


  • 消化管穿孔(消化性潰瘍、大腸憩室等)
  • 虫垂穿孔
  • 胆嚢穿孔
  • 壊死性虚血性腸炎
血行障害
  • 絞扼性イレウス
  • 腸間膜血管閉塞
  • ヘルニア陥頓
  • 結腸捻転
  • 腸重積
  • 卵巣嚢腫茎捻転
臓器炎症
  • 急性胆嚢炎
  • 急性化膿性胆管炎
  • 急性膵炎
  • 急性虫垂炎
出血性疾患
  • 動脈瘤破裂、解離
  • 臓器破裂(肝臓、脾臓等)
  • 子宮外妊娠破裂
その他
  • 急性心筋梗塞
  • 尿路結石

【消化管出血】

吐血・下血をきたす疾患
  • 食道癌
  • 逆流性食道炎
  • Mallory-Weiss 症候群
  • 食道、胃、十二指腸びらん・潰瘍
  • 急性胃粘膜病変(AGML)
  • 消化管粘膜毛細血管拡張症
  • 食道、胃静脈瘤
  • 胃癌
  • 小腸腫瘍
  • 小腸潰瘍
  • 大腸癌
  • 大腸憩室症
  • 虚血性大腸炎
  • 薬剤性腸炎
  • 感染性腸炎
  • 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)
  • 痔核

脳神経外科

当院で経験できる脳神経外科領域の救急について説明します。意識障害や神経症状にどのようにアプローチしていくかを理解して下さい。特に、意識障害については、必ずしも原因が脳神経外科領域とは限りません。神経内科、内科領域までカバーするような指導を行っていきます。
  • 神経学的診察法
    診察法について理解し実際に行うことができる
  • 頭蓋内圧亢進と脳ヘルニア
    病態と神経学的所見、治療について理解し実施できる
  • 意識障害
    評価法について理解し実際の評価ができる JCS、GCS
  • 画像診断:以下の基本的な画像診断ができる
    CT
    3DCTA
    MRI,MRA
    DSA
  • 疾患

【脳血管障害】

くも膜下出血

原因疾患を挙げることができる

症状、発症様式について説明できる

行うべき検査について説明でき、診断できる。

急性期に行う治療について説明できる

急性期治療の助手を務めることができる

亜急性期(発症1-2週間)に出現する病態について説明できる(脳血管攣縮)

その発症様式、症状について説明でき、保存的治療を行うことができる

慢性期に出現する病態について説明できる(正常圧水頭症)

その症状、治療について説明でき、治療を行うことができる

【脳出血】

高血圧性

好発部位について説明できる(被殻、視床、小脳、脳幹部)

それぞれの症状について説明できる

それぞれの手術適応について説明できる

手術の助手を務めることができる

AVM について説明できる

アミロイドアンギオパチーについて説明できる

【脳梗塞】

それぞれについて症状および神経学的所見、画像診断、治療

脳塞栓症

脳血栓症

ラクナ梗塞

【頭部外傷】

それぞれについて臨床経過、症状、画像診断、治療

頭蓋骨骨折

線状骨折

陥没骨折

頭蓋底骨折

急性硬膜外血腫

急性硬膜下血腫

脳挫傷

びまん性軸索損傷

慢性硬膜下血腫

【脊椎、脊髄疾患】

それぞれについて症状および神経学的所見、画像診断、治療法

頚部脊柱管狭窄症

頸椎椎間板ヘルニア

腰部脊柱管狭窄症

腰椎椎間板ヘルニア

後縦靱帯骨化症

検査、手術

以下の検査、手術について指導医の監督下に実際に行うことができる

腰椎穿刺、ミエログラフィー

慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術

脳室ドレナージ術

V-P shunt

L-P shunt

神経内科

【意識障害】意識障害の評価と治療ができる

(ア) 神経学的診察法

(イ) 脳波を始めとした各種誘発電位検査(体性感覚誘発電位、聴性脳幹反応など)の神経生理学的検査の実際

(ウ) 画像検査の適応と診断

(エ) 意識障害をきたす疾患の鑑別診断

(オ) 治療法

【痙攣重積発作】

(ア) 痙攣の状態についての評価法を学ぶ

(イ) 痙攣の鑑別診断を学ぶ

(ウ) 神経生理学的検査法を学ぶ

(エ) 画像検査の適応と評価法を学ぶ

(オ) 痙攣の治療法を学ぶ

【変性疾患の急性増悪】

(ア) パーキンソン病などの変性疾患の合併症について診断と対処法を学ぶ

(イ) 嚥下障害、嚥下性肺炎について評価と治療法について学ぶ

(ウ) 具体的な疾患としては

① パーキンソン病

② 進行性核上性麻痺

③ 大脳皮質基底核変性症

④ 多系統萎縮症

⑤ レビー小体病

⑥ 脊髄小脳変性症

【その他の神経救急疾患】

(ア) 脳炎

(イ) 髄膜炎

(ウ) 急性脊髄炎

(エ) 脱髄疾患

(オ) ギラン・バレー症候群

(カ) 周期性四肢麻痺

(キ) 多発性筋炎

(ク) 重症筋無力症クリーゼ

(ケ) 一酸化炭素中毒を始め各種中毒性疾患

(コ) 代謝性脳症

(サ) 低酸素脳症

【救急対応各科指導医】

脳神経外科

森山拓造

外科

岩村威志

黒木直哉

神経内科

鶴田和仁

集中治療部

濱川俊朗


救急外来搬入

救急車統計

平成23年度救急外来情報


救急外来集計

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 合計 AV
救急外来件数 195 248 193 225 219 238 223 232 234 256 196 225 2684 223.7
救急車搬入件数 129 157 131 149 160 159 152 140 155 170 136 144 1782 148.5
救急外来からの入院件数 102 112 82 99 106 94 98 102 109 123 85 80 1192 99.3

診療科別救急車件数

脳神経外科 リハビリテ|ション 外科 消化器科 整形外科 リウマチ科 麻酔科 ペインクリニック 神経内科 泌尿器科 放射線科 内科 糖尿病代謝内科 合計
合計 1071 2 67 22 52 0 471 14 43 1 7 30 2 1782

救急車搬入時間区分

受診月 時間外 時間内 深夜 休日 合計
2011年4月 37 51 20 21 129
2011年5月 35 53 37 32 157
2011年6月 33 54 32 12 131
2011年7月 45 59 23 22 149
2011年8月 37 63 46 14 160
2011年9月 43 60 25 31 159
2011年10月 42 57 24 29 152
2011年11月 44 47 28 21 140
2011年12月 43 64 27 21 155
2012年1月 42 58 37 33 170
2012年2月 31 55 26 24 136
2012年3月 28 65 31 20 144
合計 460 686 356 280 1782

救急患者疾患別一覧表

ICD10 病名 件数
I63 脳梗塞 291
S00 頭部打撲・頭部打撲傷 220
G40 症候性てんかん 126
H81 頭位変換性めまい 75
I61 脳出血 72
S06 脳挫傷・外傷性くも膜下出血・脳震盪・頭蓋内に達する開放創合併なし 67
I62 非外傷性頭蓋内出血 47
T14 頭部打撲挫創 47
I60 くも膜下出血 46
R40 意識消失 44
S01 頭部裂創 41
G45 一過性脳虚血発作 39
S13 外傷性頚部症候群 31
J18 急性肺炎・誤嚥性肺炎 28
I69 脳梗塞後遺症 25
I21 急性心筋梗塞 20
E86 脱水症 19
S72 大腿骨頚部骨折 19
K25 急性出血性胃潰瘍 18
S32 腰椎圧迫骨折 18
I46 来院時心肺停止 17
I66 脳塞栓症 15
S02 顔面骨骨折 15
I65 内頚動脈閉塞症 12
J15 細菌性肺炎 12
E16 低血糖発作 11
F45 過換気症候群 11
A41 敗血症 10
K92 消化管出血 10
M47 頚椎症 10
T58 一酸化炭素中毒 10
F10 急性アルコール中毒 9
G44 筋収縮性頭痛 8
J96 急性呼吸不全 8
K56 イレウス 8
N39 尿路感染症 8
S22 胸椎圧迫骨折 8
T50 急性薬物中毒 8
I95 起立性低血圧症 7
J10 インフルエンザA型 7
M51 腰椎椎間板ヘルニア 7
R51 頭痛 7
S14 頚髄損傷 7
D43 脳腫瘍 6
E14 糖尿病 6
I67 高血圧性脳症 6
S42 鎖骨骨折・肩甲骨骨折 6
C16 胃体部癌 5
E11 2型糖尿病・糖尿病性合併症あり 5
I49 不整脈 5
I71 急性大動脈解離StanfordB・胸部大動脈破裂 5
K57 結腸憩室出血 5
M79 大腿痛 5
S20 前胸部打撲傷 5
S30 腰部打撲傷 5
S52 上肢・手骨折 5
T00 全身打撲 5
T09 脊髄損傷 5
E87 低カリウム血症 4
G47 脱力発作 4
G72 低カリウム血性周期性四肢麻痺 4
I10 高血圧性緊張症 4
K21 逆流性食道炎 4
K26 急性出血性十二指腸潰瘍 4
M54 腰痛症 4
R10 腹痛 4
S09 頭部外傷 4
S40 右肩打撲傷 4
S82 膝蓋骨骨折 4
T67 熱中症 4
X70 絞首 4
A09 出血性腸炎 3
C18 結腸癌 3
N10 急性腎盂腎炎 3
T02 胸腰椎圧迫骨折 3
T68 低体温 3
C78 転移性肝癌 2
G04 化膿性脳髄膜炎 2
G20 パーキンソン症候群 2
G21 悪性症候群の疑い 2
G41 てんかん重積状態 2
G52 迷走神経緊張症 2
G90 自律神経失調症 2
G91 水頭症 2
G93 低酸素性脳症 2
I50 急性心不全 2
I85 食道静脈瘤破裂 2
J00 感冒 2
J80 急性呼吸窮迫症候群 2
K80 総胆管結石 2
M62 横紋筋融解 2
M84 右大腿骨骨幹部病的骨折 2
M87 右大腿骨頭壊死 2
N20 尿管結石症 2
S27 気胸 2
T17 異物誤嚥 2
T60 有機リン中毒 2
その他 76
合計 1782